【株式投資】コーポレート・ガバナンスによる株主価値の最大化【インフレ対策】

こんにちは、練馬区中村北の税理士・田中慧です。
先日、日経平均株価が6万円の大台を超え、本日25日現在では65,000円を超えました。ちょっと驚いております。

その理由は円安に加え、①一部の半導体銘柄に資金が流入していること、②地政学的な資源・原材料不足などによるインフレが原因だとされています。半導体の会社の話は今回は無視するとして、地政学的な資源不足によるインフレの影響は日用品や食料品にまで表れ始めています。なにしろ、自販機の某飲料水を始め、豆腐や納豆まで値上げされるくらいですから。コンビニや外食の値上げも顕著です。

一方、国税庁において現在、取引相場のない株式(非上場株式)の評価に関する有識者会議が開かれています。非上場株式の税法上の時価が低く計算されているから高くするのか、逆に高く計算されているから低くするのかなど今後の展開に目が離せません。会社の株をいくらで評価するのかは、税金面だけではなく、相続・事業承継の際の遺産分割面でも重要となってきます。
と言っても、今回は相続や税務の話ではなく、株式投資についての話をしたいと思います。
なお、株式投資は必ず自己判断と自己責任にて行うようお願いいたします。

目次

1. コーポレート・ガバナンスとは
2. 株主価値の最大化に向けて
3. インフレ対策としての株式投資
4. 終わりに

1. コーポレート・ガバナンスとは

ここ2~3年くらい株式投資ブームが起きており、インターネットや日経新聞・経済誌等でよく取り上げられています。
私も趣味で株式投資をやっていました。興味を持ったきっかけの一つは、独立前の事務所の上司に「株はやらないのか?」と言われたことです。
その当時はピンと来ず、つみたてNISAでコツコツ積立投資をやるくらいでした。しかし、次第に自分の中にモヤモヤする思いが芽生え始め、思いきって個別株投資をしてみることにしました。最初は失敗ばかりで損失が膨らみ、このままじゃマズイと思い、とりあえず株式投資の本を5冊読み始めました。
その中のひとつに次の本があります。

生涯投資家ー村上世彰

村上ファンドの村上さんと言えば、誰もが分かるでしょう。私にとっては、株式投資を象徴する人物です。彼と堀江貴文氏によるニッポン放送の買収騒動は有名です。当時、私は中学生でした。ニュースで報道される「TOB」や「ホワイトナイト」といった用語が何を意味するのか、彼が何をしたいのか当時は全く分かりませんでした。株式投資を実際にやってみて、そして税理士になって初めて彼のやりたかったことが分かるようになりました。
コーポレート・ガバナンスとは、投資家が経営者を監督する仕組みを言います。
つまり、会社財産が事業のために適切に使われているか、効率的な経営が行われているか、資本構成が最適か(繰越利益剰余金を貯め過ぎていないか)などを情報開示して株主に説明する仕組みを作らせて監督する訳です。現在ではコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)という文書が公開されています。「なんでそんなことをしなきゃならないの?」と思われるかもしれません。それは上場企業が株主価値を最大化させる経営をしなければならないからです。

2. 株主価値の最大化に向けて

コーポレート・ガバナンスの目的は、会社の私物化を防いだり、株主に対する説明責任を果たす仕組みを作ることで中長期的な企業価値=株主価値(株価)の最大化をさせることにあります。
上場企業は中小企業と違い、社会の公器ですから、透明で成長性の高い経営が求められ、かつ、株主と向き合っていかなければなりません。
昨今の株主還元ブームの背景には、東京証券取引所(以下、「東証」と言います。)による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応のお願い」(割安に放置された株価を是正させる勧告)がありますが、株主(特に個人投資家)と向き合って来なかった経営者の非効率的な経営に一石を投じたのが、村上世彰氏だったと認識しています。ニッポン放送の買収騒動はその一例です。村上氏は当時、まるで世間の敵のように報じられていた記憶があります。株式投資に馴染みの薄かった世間にとっては「楽して大儲けするズルい人」といった感じでした。経営者からすれば、非常に厄介な存在でしょう。時にはやりすぎとも思える株主還元が提案されますが、それは裏返せば今まで経営者が株主と向き合って来なかった証拠なのかもしれません。
彼を擁護する訳ではありませんが、とにかく昨今の株主還元ブームの系譜の中には、村上ファンドの存在があったことは確かです。

ところで、株式市場における株価は次の要素で構成されていると思うのです。

株価(企業価値)= 事業価値 + 資産価値

事業価値の測定は難しく、一般的に事業計画書を基に投資計画と予測損益計算書(予測P/L)から予測キャッシュフローを導き出し算出するようです。これは要するに、ただの予測(推測)ではないですか。
しかし、資産価値はどうでしょうか?貸借対照表(B/S)の「資産の部」を見れば、一目瞭然なのではないでしょうか。株式の時価総額を超えるような財産価値(現預金・土地・有価証券の合計額から負債を除いた正味の財産)を持つ会社に対して、株価を上げるために経営の効率化や株主還元を呼びかけたのが東証です。「PBR1倍割れ」の状態を是正せよ、という訳です。ある程度は上手くいっているように思いますが、創業家が株式(議決権)の半分近くを握っている会社もまだまだありますので、ガバナンス改革は今後も続いていくでしょう。

3. インフレ対策としての株式投資

私の事務所のある練馬区中村北はそうでもないのですが、東京都心は事務所賃貸料や住宅家賃の大幅な値上げが続いているようです。地政学的な資源不足による物価高だけでなく、住宅ローン金利(変動型)の上昇も予想されます(食料品の消費税率0%の議論は置いておきます)。
今後の大きな物価上昇に備えて、資産の一部を投資信託で持っておくのもアリかなと思います。円預金で損をすることはありませんが、利率を考えると資産運用には向いていないでしょう。
個別株投資をやって良いとは思いますが、必ず損しても良い前提で買いましょう。買ったらすぐに下がりますから。買い値より20%以上下がったなら、諦めてさっさと売却しましょう。私の経験上、1年半~2年くらいかけて初めて値上がり益が発生しますから、個別株投資に貯金としての機能は無いです。リスクを負ってリターンを取りに行くギャンブルと同じです。やるのであれば投資信託であって、貯金(手元資金)との割合を決めて投資していくのが現実的だと思います。なお、投資信託はNISAの積立投資枠(120万円)だけでなく、成長枠(240万円)で購入することもできます。

4. 終わりに

いかがでしょうか?
日経平均株価が最高値を更新していることもあり、今回は株式投資について書いてみました。
本当はもっと詳しく書きたかったのですが、色々考えて省略しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【注】個別株式投資は必ず自己判断と自己責任にて行うようお願いいたします。

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